第607話

家に帰って母さんの日記を読む。




はじめて妊娠がわかったとき



離婚を決意したとき



俺たちへの思い



生まれてくる咲美愛への思い




久々にこの日記開いたな、なんて思う。




母さんは咲美愛を生むことに必死だった。




母さんが隠そうとした咲美愛の存在。


咲美愛ももうわかる年齢だ。




咲美愛のことを守るために親父や


兄貴たちと仲が悪くなってしまって。




どうしても、咲美愛を守りたかった。




それだけじゃなくて、咲美愛を


とられるのも嫌だった。




だから、集まるときに連れて


行かなかったり、母さんの実家に


預けていたりしたんだ。




咲美愛のことは希美の親戚の


子どもを預かっていると話していた。



だから、怪しまれてないとおもう。

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