第608話

希美が俺の元へやってくる。




『それ、義母さんの日記?』



『そうだよ。』



『義母さん、咲美愛を守るのに必死

だったよね。あれから24年もたったのね。』



『ずっと迷ってきたけど、親父もいい歳だ。

だから、本当のことを話そうと思うんだ。』



『反対されるかもしれないし、ヒロくん

傷つくかもしれないんだよ?それでも

義父さんやお兄さんに言うの?』



『言うよ。決めたんだ。』



『それって自己満足じゃないの?

わたしはもう咲美愛が傷つくのは

みたくないんだよ。』



『わかってる。だから、咲美愛と

もう一度2人で話し合ってみるよ。』



『そうね、それがいいかもね。』




咲美愛が嫌だと言うなら話さない。


今後も親父たちとは疎遠のままでいい。




拓望や瑠威、海那星はプロに入ってから


親父や兄貴たちと会ってるみたいだ。



こどもたちにとってのお爺ちゃんを


とりあげるわけにはいかないし、

好きなように会ってくれていい。




ただ、咲美愛だけはわたさない。

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