第48話

side 瑠威



俺は家に帰った時、誰かの返事が

あるまでただいまを言い続ける。


返事があると安心するからだ。



今日はなんだか可笑しい。


家に居るはずなのに誰の返事もない。

変だなぁなんて思いながら足を進める。



リビングのドアを開ける。


なんか重たい空気が漂っている。



とりあえず言ってみる。


『何、この空気?』



拓望に目を向ける。目だけで

言いたいことが通じるからだ。



『咲美が、恋煩い』



あぁ、そうなのか…。って納得

していると父さんは立ち上がる。



きっと咲美の部屋に行くんだろう

そう後ろ姿を見て感じた。


娘ラブだから仕方ない。


咲美、被害を受けてくれ。

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