第49話
ガチャリといきなりドアが開く。
『咲美愛』
低いパパの声が聞こえる。
え?なんかしたっけ…なんて
思ってふりかえる。
え、パパ怖い、どうしたの。
『その、なんだ。うん。』
『うん?何?』
『好きなやつがいるのか?』
おーーーい。拓望か。拓望だな。
パパに言っちゃったんだな。
なんてことをしてくれたんだ。
嘘をつくわけにもいかず…。
『うん、いるけど』
『パパは認めん。恋に浮かれるな。
まだ早いじゃないか。学校に何しに
行ってるんだ。学校は恋愛をする為に
行く場所じゃないだろ。勉強する場所だろ』
『なんで、そんなに言われなくちゃ
いけないの。何もしてないじゃ。
どうして、そこまで言うのさ』
『勉強に恋愛はいらない』
あぁ、パパには何を言っても
無駄だ。聞いてくれないや。
どうしてわかってくれないの?
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