第13話

なぜ、裕兄が私を育てているかと

いうと裕兄の奥さんと母の産婦人科が

同じ場所だったからである。


裕兄は私が生まれてくることを

大反対していた。勿論、母の家族も

みんな反対していた。



まだ高齢出産があまり認知されて

いない中での47歳での出産。


さまざまなリスクがある。



反対するのは当然のことだった。


中絶ギリギリになっても母は

産むと言い張っていた。



家族はみんな反対。五体満足で

生まれる保証はない。障害をもって

生まれてくるかもしれない。


年齢を考えても母のほうが先に

なくなる。父親のいない子供を、どう

育てていくのか揉める日が何日も続いた。


それでも母は頑なに拒み続け

『私は産みます』と宣言していた。



だれも望んでいない私の出産予定日は

7月7日の七夕の日だった。

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