小さな蕾

第12話

その蕾が生まれた時のことを話そう。



母は19歳で結婚、出産した。


19歳で長男 孝徳(たかのり)

21歳で次男 郁人(ふみと)

23歳で三男 裕貴(ひろき)

25歳で四男 雄介(ゆうすけ)

28歳で五男 智哉(ともや)

29歳で六男 敦史(あつし)



を出産、子育てをしてきた。



父は当時プロ野球選手のスターだった。

THE 昭和の関西人だった父。


お母さんの4つ歳上のお父さん。



私は会ったことも話したこともない。



それは、6人の子の子育てが終わり

野球評論家として働いていた父に

離婚を告げたのである。


私はその時にはもう母のお腹にいた。

いたにも関わらず母は父に離婚を告げた。



父は動揺し、なんでたと別れないと

言い続けたが結局離婚した。


兄達にはあとから告げられた。



だから、裕兄以外、兄たちも

私の存在を知らないのだ。



母が亡くなった時、私は病院に入院

していたため父や兄と会うことはなかった。


知らないまま、生きてきたのである。

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