第85話
人気のない、廊下で―――……
頭を抱えて、座り込む。
朝妃を失い、妃響も失うのか………
俺は、結局―――………
妃響を助けてやることもできない。
戸籍上の父親な、だけ。
妃響が、優哉を慕う理由もわかる。
「おじさん!おじさん!
しっかりしてください!生きてます!
妃響は、必死に生きようとしてます!」
「…………あおい、か………。」
翔平から、聞いていた。
撃たれた傍に、碧空も居て。
何らかの事情を知っていると思う。
もしくは、妃響が何かしようとしてて
止めようとしていた、かも……と。
病院に居たのか、碧空も………。
「輸血は?おじさん…輸血は?」
碧空も、輸血してくれたのだろう…。
腕に止血止めのシールが貼ってあった。
友人の碧空が、輸血してくれたのに
父親の俺が輸血できないなんてな……
情けねえ。父親なんていえねえ……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます