第73話

「朝妃、今のうちに行け。

タイミング逃すと、行けなくなる。」


弟の面倒見てて、遅刻はさせられない。


毎日、隙を見つけて、

朝妃と妃響を…2人から引き離し

学校へ行くように話す。


朝妃も妃響も返事はないが、

言われた通りに、煌妃と悠妃から離れ

学校に行ってくれている……。



「ん。」


今日は、朝妃からの返事があった。



だが、しかし―――………


「んあっ!んっ……いやーっ!いやーっ!抱っこー!抱っこ、抱っこー!!!」



普段は、朝妃のことを怖がる悠妃だが

朝は寝惚けているのか……


ただ単に、抱っこしてほしいだけなのか

「いやだーっ!」と言って、

床に下ろされるのを、全力で拒否する。


そんな悠妃を見て、朝妃も困惑顔になるのも、お決まりのパターンになりつつある。



「いやーっ!ひいにいーっ!ひいにいーっ!ひいにいっ!ウウッ…グスッグスッ……ひいにいっ!居ないのっ……居ない〜ッッ!どこおっ!ひいにいーっ!」


って、泣き叫ぶ煌妃と


「ッッ……グスッ……抱っこ。抱っこ………んなああああッッ………ひいっ………居ないッッ………ウッ…ウッ……うえええええ……うぎゃああああ!やだーっ!」


同じく、泣き叫ぶ悠妃。



2人の対応に時間がかかる。

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