第66話

離婚後―――……


しばらくしてから、

朝妃の家庭内暴力……というより

今まで溜め込んできたであろう不満を

言葉にして、ぶつけるようになった。



その、矛先に―――……煌妃と悠妃。



殴ったり、蹴ったりはないが

物を投げることが、ここ1年増えた。

自分の気持ちに葛藤しながら、苦しんでるのだと。俺は、思っている。


朝妃と向き合わないと、

玖賀の家族はバラバラになる。


弟たち……特に、煌妃と悠妃の

成長に影響しかねないという不安もある。

朝妃は、それを敏感に感じ取っていて。



俺への暴言は決まって


「煌妃と悠妃の成長に影響が出るから、って?その思惑、見え見えなんだよっ!どーせ俺は、玖賀のお荷物かっ!」


だったら、追い出せばいいだろっ!



と、暴言を吐く朝妃。



朝妃の心は泣いている。

親を求めて。愛情を求めて。



今まで向き合ってこなかった俺の責任だ。朝妃を見捨てることはしない。

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