第64話

「まだ起きてないのかあああ!

竜妃ぃぃぃっ!遅刻すんぞ!コラっ!」


だいたい毎日、怒鳴っている気がする…


中学受験をし、自宅から自転車で30分の距離に進学した竜妃。

今の時刻は、7時30分。


まだ時間の余裕はあるが朝が弱い竜妃は

行動がマイペース。

起きてきても、リビングで二度寝もしばしば。だから、余裕もって起こす。



「んああっ!やーっ!やーっ!」


「いやああああっ!やーっ!

い"が な"い"で"ええええー"っ!

ギャーっ!やーっ!やっー!」



いつもと同じような、朝。



「雅妃、悪い。竜妃起こしてくれ…」


もうすぐ登校しないといけない雅妃に

頼むのは、申し訳ないが……

竜妃を起こすには、雅妃が最適。



俺は、雅妃に甘えてしまっている。




「ぎゃあああああああっ……」


この世の終わりのような、泣き方。

絶望泣きって言うんだっけ?



玖賀家に、平和な朝など存在しない。

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