第57話

帰宅後―――…………


俺をガン無視の妃響。

竜妃と雅妃が、何?何があったの?と不安そうな顔して見てくる。


言えない。


「可愛い」って言い過ぎて怒らせたとか。



不安気に、俺と妃響を見る竜妃と雅妃のことを視界に入っていない、妃響は

悠妃を膝に乗っけてデレデレしてる。


10年前、よく見てきた光景だ。



「悠妃。」


「んー?なあに?」



デレデレ顔の妃響は、口調も甘い。


そりゃそうか。


悠妃の名前を決めたのは

ほぼ、妃響の意見だし、子育ての全般を

してきたのも、妃響だもんな。


可愛くて、可愛くて仕方ないのだろう。



「悠ちゃんは可愛い。」


「………………んなっ…なっ、なっ…」


「大好きって言ってあげようか?」


「いいっ!いいっ!」



悠妃は可愛い。


それは玖賀の家族全員が思っていること。



梨絵子に一番似ているのは妃響と悠妃。



仲間である悠妃が可愛いんだろう。

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