第52話

「煌妃は、煌妃はなあ。

可愛いなーと思うよ。ああ見えて健気だしね。泣き虫なのも変わらないし。」



煌妃は結構、泣き虫だった。


悠妃の影に隠れて、目立たなかったけど

甘えん坊で、強がりで。泣き虫。



「悠妃があっ、悠妃があっ………。」



悠妃にオモチャをとられた。

返してくれない。壊されたとか言って

ひい兄、ひい兄言って、泣いてたな。



妃響も甘くて。

泣きついてきた煌妃を抱っこして

甘えさせている光景をよく見た。



「妃響は、甘かったな。煌妃に。」


「そりゃねえ。可愛いもん。今も。

強がりの癖に泣き虫で甘えん坊とか。

可愛い以外にないでしょ。」


「妃響と顔もそっくりだしな。」


「……………は!?」



妃響と煌妃はよく似ていると思う。



「梨絵子に似て。可愛いじゃねえか。」



妃響は、梨絵子似だ。


梨絵子は美人というよりか

可愛い系の顔立ちだった。

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