第38話

紆余曲折あった


朝妃と妃響との父子関係。



心が折れそうになりながら

父親で居ることを諦められなかった。


俺が変わらないと

妃響は変わらない。



朝妃が亡くなって

妃響に跡を継ぐように言って。


妃響の人生を奪ったようなもの。


嫌われて、当然の父親。

家に帰らなくなるのも、当然のこと。

俺は、一切褒めなかった。


それどころか


朝妃と比べ。

駄目だな、ばかり言ってきた。

陰で、泣いていることも知っていた。

俺は、妃響を苦しめていた。



5年前―――…………


妃響が撃たれた時。

目を覚ました時。



「迷惑かけんじゃねえ。」



心配したとか、大丈夫か?


って言うよりも前に。



妃響を目の前にして

出た言葉は妃響を傷付ける言葉だった。

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