第35話

「そうじゃねえ!

子育て要因なんて思ってねえよ。」



煌妃と悠妃の面倒を見てくれてるのは

正直、助かっている。


だが、まだ朝妃と妃響は中学生。


部活、勉強、友達、族の仲間。

やりたいことだってあること、知っている。強要したいわけではない。



「本当かよ?」


「本当だ。」


「ふっ、どうだか。

アンタにとって、子育て要因が居なくて、煌妃と悠妃が泣き叫んで。

手に負えなくて。困ったから、助けを求めたかっただけだろ。」


「違う!」



妃響が俺に反抗してきた。


中学2年と3年生。

難しい年頃だとは理解してる。



「違くねえだろ。子育て要因だろ。

ふっ、母さんもそう思ってるだろ?」


「えっ…そんなこと思ってない。」


「俺は、アンタらが言う事信用してねえから。」



俺だけなら、まだ許せた。



梨絵子に対して、「アンタ」と言ったことも、親を親と思わない態度も

疲労で疲れ果てていた俺には…



頭にきてしまった。

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