第33話

泣き声が伝染したのか―――……



迎えに行ったら、

悠妃も大号泣をしていた。


保育園でも一日中泣いていたらしく

疲れて、吐いて。声が枯れて。

大暴れして。頭を打ち付けている煌妃。



精神的不安定なのは、わかっている。


梨絵子が原因なのだと。

薄々、勘づいてはいた。



「んやーっ!やーっ!あさひっ!

ひーにいっ!居ないっ、居ないーっ!」



朝妃と、妃響の姿を探し求め

家中の各部屋を探している、煌妃。



「居ないっ、居ないっ……。」


絶望的になり、発狂している煌妃。


何が不安なのか、何が辛いのか。

俺には煌妃の気持ちがわからなくて。

俺まで、泣けてきてしまう。



「あさひっ!ひーにいっ!!!

居ないよおっ!居ないよおっ!!」



そう言って、疲れ果てて寝てしまった。

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