第15話

学校に行っても、落ち着かなかった。



3時間目まで、テスト。


そのあとは、各自帰宅するなり

勉強していくなり、自由に過ごせる。

碧空と自習室で勉強しようって

話しになっていたけど帰ることにする。



今日、妃響と約束あるんだっけ――……


これで、行かなかったら疑われるよな。

でも、俺は妃愛の元へ行きたい。



「行ってこいよ。心配だろ?

妃響には上手いこと言っとくから。」


「…………碧空…………。」



席に座ったまんま、

窓の外を見てボーッとしている俺に

声を掛けてきた。



「行け。なんとかする。」


「サンキュ!助かる!」



妃響との約束は守れないけど―――…


俺は、妃愛の元へ行く。

集中治療室―――……生死をさ迷ってる。

永遠の別れになるかもしれない。



はじめて、会った時に―――……


母に言われた。「妃愛は、長生きできないかもしれない。関わることで、朝妃が傷付くことがあると思うよ。」



遠回しに、関わるのをやめろ、と

言いたいのだと気付いた。



俺は、そんなことで引き下がらない。

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