第13話

「この子は…望まれてない……。

史哉くんには、望まれてない……。

そんな子は……要らないでしょう……」


「要らないだと?」



母さん、要らないってどういう意味?


大輔さんもなんで、そんなに……

怒りを露にするの?わからない……。



「娘なんか……要らない…って。

養子に出すって……。言われてたの!

史哉くんにとって、娘は邪魔物なんだよっ!」



娘は……要らない………


はじめて、聞く話だった。



衝撃のあまり、言葉が出てこなかった。



「梨絵。

史哉の言葉を真に受けるんじゃないよ。

色んな視点で考えてみなさい。」


「色んな視点ってなによっ!」



妃愛が、危険な状態だからか…


母さんは落ち着きがなくて。

ヒステリックな状態で。

ずっと、泣いていた。



「史哉は極道の跡取りだ。

梨絵と菜緒の事件があったんだ。

もう可哀想な思いはさせたくない……

だから、女の子は要らない…

って思ってるんじゃないのか?」


「………ふみくんが……そんなこと…」


「史哉の性格を1番理解してるのは

梨絵だろ?勝手に思い込んで。

悲観して。もっと、史哉を信じろよ。」




大輔さんは、



「史哉を信じろ」と、言った。

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