第5話

「俺を見て笑った?ねえ、笑った?」


「はいはい。落ち着いて、朝妃。

今笑ってたね。朝妃を見て。」



思わず、ぎゅっと抱き締める。


妃愛の頬に、俺の頬を当てて。

ぎゅうぎゅう、抱き締める。


んー、可愛い。可愛い…可愛い…。



「ピンク?ピンク色だね!

女の子の服色々着せたいね。」


「良かったね〜。ひめちゃん。

お兄ちゃんが可愛いって。色々と…

ピンク色着せたいって。」



妃愛に話し掛ける、母は優しかった。



「んー……可愛い。

でも、小さくね?ちっちゃくない?

何ヶ月?なんか、燈妃からの記憶しかないけど、燈妃とか煌妃より小さくない?

悠妃とは……あんまり変わらないか。」


「ひめちゃんは未熟児なのよ。

妊娠7ヶ月で生まれてきてしまったから…」



俯く、母。


色々あったのだと察する。

別の機会にまた、聞けばいいや…


と、決める。



そんな日は中々こなかった。

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