第81話
妃愛:「わたし、生きてていいのかな。」
ぼんやりと朝妃の仏壇を見つめては
ポツリ、と呟いているのもよく聞く。
妃愛自身の気持ちの中に
今でもお母さんを奪ってしまった…
お母さんは本当に私の事を必要と
していたのか――疑っている。
誰かを――信じることができない。
妃愛:「ごめん、ね。」
2週間後に入院が決まっている。
手術を受けるためである。
だからなのか、ここ数日は情緒不安定な
日々が続いていて、よく泣いている。
――――本当に生きていていいの?
自分は生きていていいのだろうか。
誰かの力を必要としてではないと
生きていけない、自分は本当に……
生きていていいのだろうか。
妃愛は自身の気持ちと葛藤している。
俺は伝える事しかできない。
妃愛は生きていていいんだよ。
誰かの力を必要としていいんだよ。
玖賀の――家族なんだから
迷惑とか思わなくていいんだよ。
伝える事しか……しかできない。
あまりにも無力だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます