第73話

朝妃:「燈妃、約束しよっか。」



返事を返さないのに

僕に話しかけてくれる朝妃兄。


なんで、話しかけてくるの。



朝妃:「じいちゃんの家の近くの丘。」



うん、丘があるよ。


僕がじいちゃんの家に行くと

必ず行く場所。街を一望できる景色を

見るのが好きなんだ、僕は。



朝妃:「お話しよう。俺と燈妃の2人で。普段言えないこと聞くから。」


燈妃:「………………。」


朝妃:「毎月、月末の金曜日。じいちゃんの家の丘で話そう。」


燈妃:「うん……。」


朝妃:「甘えたっていいんだよ。燈妃も。煌妃と悠妃のお兄ちゃんしなくていいの。俺にも妃響にも甘えていいの。」


燈妃:「……うん。」



無理に、とは言わないけど

大人ぶるんじゃないよ、燈妃は。


そう言って、デコピンされた。

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