第72話

side 燈妃



朝妃兄……が傍に居る。


熱があることがバレてしまった。

いつも――バレなかったのにな。



朝妃:「なあ、燈妃。」


俺の隣に横になって

話しかけてくる、朝妃兄。


俺の……兄ちゃん。



朝妃:「学校つらいか?」



なんで、学校?



朝妃:「今日、電話もらった。妃響から。燈妃が学校に来てないって。」


燈妃:「…………。」


朝妃:「辛いなら無理して行かなくてもいいんだよ。燈妃。」


燈妃:「…………。」



そっと、布団ごしに

僕のことを抱き締めてくれる。



まだ中学生なのに

大人びて、親代わりの朝妃兄。


甘えられる――煌妃と悠妃が羨ましい。

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