第71話

朝妃:「38.5度。十分、高いけど。」


燈妃:「………………。」



取り上げられた布団を取り返し

頭まで被って寝ようとする燈妃。



朝妃:「ごめんな。煌妃と悠妃ばかり手がかかるから、燈妃のこと気にかけてやれなくて、ごめん。」


燈妃:「そんなの、前から。慣れた。」


朝妃:「そうか、慣れちゃったか。」


燈妃:「僕は大丈夫だから。戻りなよ、煌妃と悠妃のところ。雅妃兄も風邪引いてるんでしょ。妃響兄1人に任せるのは、大変だから。」



自分は大丈夫だから、

朝妃兄は妃響兄の元へ戻れという燈妃。



朝妃:「わかった。竜妃を部屋に戻すから、燈妃は寝ような。俺が傍にいるから。」


燈妃:「いらない、大丈夫。」


朝妃:「煌妃も悠妃も落ち着いてるから大丈夫。心配ばかりしてないで、燈妃は寝る。命令だよ。」


燈妃:「…………ふんっ。」



素直にならない、燈妃。



朝妃:「竜妃、一人で寝れるか?」


竜妃:「大丈夫。おやすみなさい。」


朝妃:「ん、おやすみ。」



本当は一人で寝るのは寂しいけど。


仕方ない、雅妃が良くなるまでの我慢。

燈妃はずっと一人で寝てるんだから。


お兄ちゃんである俺が

寂しがってなんていられない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る