第74話

僕が熱を出した――日から。



毎月、月末の金曜日は。

朝妃兄とのおデート。


精一杯甘えられる日。



僕が小学校2年生の時から

朝妃兄が亡くなる――

中学校卒業するまで7年間……


僕と朝妃兄、

2人だけの秘密の時間は

毎月欠かさず、続いた。



朝妃兄が荒れて家に帰って

来なくなっても……

家で暴力振るうようになっても


僕との約束だけは守ってくれた。



――――一度も、破らずに。



だから、僕は

家で浮いてしまっても

甘えることができなくても


朝妃兄との約束を

糧に頑張ってきた。




――――朝妃兄と過ごした7年間。



――――僕にとって最高に幸せだった。

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