第69話

朝妃兄と一緒に燈妃の部屋へ向かう。



たった4才しか離れていないのに

ずっと大人で。強くて……頼りがいが

あって……僕の憧れの兄…。


朝妃兄と妃響兄は

煌妃と悠妃の親代わりみたいな――

存在だけど、僕にはちがう。



手の――届かない場所にいる、兄。



普段、話す事がほとんどなくて

何を話したらいいのか、わからない。


何も…朝妃兄に言えないまま

燈妃の部屋に着いてしまった。



朝妃:「燈妃、入るよ。朝妃だよ。」



返事が無いけど、ドアを開けて

入っていく朝妃兄。


後ろからそっと着いていく俺。



朝妃:「燈妃、電気つけるよ?」


燈妃:「やだ。」


朝妃:「起きてたの。ん、熱あるじゃん、しんどいだろ。」


燈妃:「別に。いつものことだし。」



いつものことってどういうことだろうか。

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