第11話

妃響:「ゆうちゃーん、無視?」


悠妃:「何でしょうか、お兄様。」


妃響:「チッ、つれねえ。お宅の妹さんが、まぁー面倒臭いのでお引取りお願いしたいのですが?」


悠妃:「今、引取りに参ります。」


妃響:「そうですか、ありがとうございます。いつも、引き取って頂けたら有難いのですがね!」



妃愛を引き取れと言いに来た妃響兄。


毎度毎度、喧嘩して逃げるなよ

って言いたいらしい妃響兄は

遠回しに俺に伝えてくる。


優しい口調で。



妃響:「あっ、ゆうちゃんさあ。」



妃響兄の

あっ、ゆうちゃんさあ…


の後に続く言葉は

いい事がないと気づいた。



パシリか勉強のことか…

学校生活のことか、愛妃のことか…


何を言われるかわからないから

毎回、警戒して妃響兄の話を聞く。



妃響:「デートしようか、俺と。」



……………………!?デート!?


何を企んでいるのでしょうか。

妃響お兄様は、何を。



竜妃兄、雅妃兄…

ちょうど大学から帰ってきた煌妃兄の

目の前で、俺にデートを誘ってきた。


何を企んでいる?

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