第91話

悩んでいても時間は来る。



あっという間にお昼の時間になり妃愛に「何食べれる?」と聞いたら「ゼリー」と言われたからゼラチンを使ってゼリーを作る。



懐かしいな。



妃愛は俺が作る食事・スイーツが大好物で「パパ、パパ、ゼリー!プリン!食べる〜作って〜作って〜」と、

仕事から帰った俺に甘えてきたっけ。



3つ下の妃恋がイヤイヤ期真っ最中で愛梨が妃恋に手がかかってた分、

妃愛は俺に「パパ、パパ」って言ってきてくれて―――……。



四つ子だから誰が一番上とかないけど、妃愛は長女らしい性格で

真っ直ぐな性格は俺譲り。

曲がったことも嫌いで、でも、言えなくて溜め込んでしまう部分も似てしまって…愛梨に「妃菜や妃恋みたいな性格になりたかったな。」とボヤいてることも聞いたりしてきた。



俺からしてみれば苦労する性格だろうけど、真面目な性格が妃愛のいいところだと思ってる。

俺の自慢の娘。宝物。

こんなに早く巣立って行くとは思ってなかったから気持ちがついていかない。



二人はサポートが必要だから

ひとまず妃愛の体調優先でってことで、妃愛と悠太くんは俺の家で暫く暮らすことが決定した――…けど、って感じだ。




妃愛が遠い存在になっていく。




近くに居るのに遠い。




いつから遠く感じるようになったんだろうな―――……

反抗期を迎えた中学生、いや、小学校高学年の頃からか。




三つ子の育児に慣れてきた頃くらいに妃愛の反抗期がはじまって。




相当、我慢させた…と悔やんでる。




四つ子、妹、さらに三つ子……

上の子達の本音は?

俺は、四つ子と妃恋の気持ちのケアをできてるのだろうか。




そんな後悔ばかりの子育ての中での妃愛の妊娠報告は嬉しさよりも

ショックのほうが上回った。





このまま、すれ違っていくのか?と。





怖いが先行した。

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