第73話

「…………親父、居る……ね。」




娘の死後、娘が家に居る感覚があるんだ。



生きていた時より何倍も、何十倍も娘は家に居る気がしてる。

そして、泣いているんだ。



娘は、俺と息子達を見ながら泣いている。




ひめちゃん?言いのことしたことある?




あの日、本当はどこに行こうとしたの?



なんで、結妃達が亡くなった場所から逆方向に歩いたの?

甥っ子達の言う通り、パパとの思い出の場所に歩いて行こうとしたの?




ねえ、ひめちゃん。




幸せだった?パパと一緒に暮らせて良かった?





もう一度、会いたいよ。







今度こそ、「妃愛!」って名前を呼んで抱きしめたいよ。







いつか、話せる時が来ますか?







妃愛の本当の気持ちを教えてくれますか?










その時まで、サヨウナラ。









妃愛、貴女に会いたい―――…………

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