第72話

" 玖賀家の呪い "





いや、玖賀史哉の呪い。






長女からはじまり、次女、三女、四女、五女…………




娘の生命は呆気なく消えていった。







「親父―――……」



「ああ、なんだ。」






娘が亡くなってからの記憶がない。





葬儀の手続きは長男と次男、三男が決めてくれたみたいだ。



俺は、娘の居ない部屋で、娘のベッド横に腰をかけボーッとする毎日を送る。




娘の部屋に居れば、娘の温もりを感じることができるから、俺は動かない。動けないんだ。





未だ、夢ではないかと思う。





娘が亡くなったことが信じられない。







交通事故に遭って7ヶ月。




7ヶ月眠り続けた娘はパパとママと大好きだった美咲ちゃんの元へと旅立った。








家族に深い悲しみを遺して娘は旅立った。

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