第71話

―――……それから数週間後だった。





妃愛が息を引き取ったのは。





「―――……危篤です!すぐに来てください。」と電話が来て、急いで病院に着いて間もなくだった。



俺たちの到着を待っていたかのように、妃愛の心拍はなだらかになった。





「妃愛ッッ、妃愛あっ!妃愛……お願い、頼むよッッ、目を開けてくれよッッ、妃愛ッッ、妃愛〜!!!」



「親父……処置するって……」





処置ってなんだよ!?



まだ温かいだろ!?妃愛の身体はまだ温かいのに、処置って……死後のケアのことだろ!?




生きてるのにッッ…………




妃愛は生きてるのに……温かいのに……「死んだ」なんて受け止められるわけねえだろっ!!






妃愛?幸せだった……か?







生まれてきて幸せだった……か?







ごめんな、ありがとう―――……。

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