第74話
―――…………
娘さんは、パパに言いたいことあるみたいですね。
「パパ、素直になれなくてごめんなさい。
ひとりぼっちになった私を引き取ってくれてありがとう。
ママの家族だから馴染まないと……って思ってたんだけど、疲れちゃったの。
お姉ちゃんの代わりになれなくてごめんなさいって言って泣いてますね……」
ああ、ああ……あああああっ…………
やっぱり……お姉ちゃんの代わり……そう思わせてしまっていた?んだな。
妃愛ッッ、ごめんなッッ…………
妃愛っ、妃愛……妃愛っ……
「ごめんっ、ごめんな……ごめんな……パパの娘でごめんッッ……」
幸せな家族で居られなくてごめん……
死後に告げられる妃愛の気持ちは辛く、切ないものばかりで涙が止まらなかった。
救えなかった。
苦しむ妃愛と向き合えなかった俺が……俺が妃愛を死なせた。
事故に遭った日、やはり妃愛はパパとの思い出の公園に向かおうと山道に行こうとした。
その途中で、事故に遭って亡くなった。
「パパ、貴方の……史哉さんの手をとろうと決断報告の為に行こうと決めたそうです。
それが、パパは決裂だと受け取ってしまって……辛いと。違うの……って言って泣いてます。」
違った……のか?
決裂じゃなくて、俺と優哉の墓参り行こうとしてくれてた?
その途中で―――……。
痛かったよな?苦しかったよな?辛かった……よな?ごめん、妃愛。
1人で逝かせて、ごめん。
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