第47話

俺は―――……





この子も……娘の犠牲にしてしまうのか―――…?



間違いなく" 俺の子 " って言い切れるけど、俺の娘……幸せにできるのか?





何も元妻と話せていないのに

言われなくてもわかっていた。




連絡を取らなくなった理由は娘が産まれたから―――…だろうと。




俺と結妃がどんな理由で絶縁したか全て知っていた元妻は、

子どもが女の子とわかって俺と一緒に育てていこうとは思えなかったんだよな…




俺は、元妻の行動を責められない。





元妻と子ども2人からの視線を感じながら「トイレに行く」と行ってその場を立ち去った。






子どもが俺の後ろ姿を見ながら唇をぎゅっと噛み締め泣きそうになっていたことを俺は知らなかった。







初対面。






それは、偽家族のはじまり。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る