第46話

俺を見た子どもは結妃の幼い頃にソックリだった。



菜緒にも、妃葵にも似ていて

「嘘……だろ……」って思ったんだ。




玖賀家の女の子は4人。



菜緒、妃葵、妃芽乃、結妃の4人。



女の子全員が俺に似ていて

会う人会う人、片割れの優哉にも、兄姉にも「史哉そっくりね!将来は美人確定だわ!」って生まれた時から言われていた。




俺と優哉は似ていない。



パーツは娘と似ているところもあったけど、ひと目で俺の子どもってわかるくらい娘と俺は激似なんだ。




優哉との子どもでもない。



優哉と美咲ちゃん夫婦の子どもでも、

優哉の孫でもない。




元妻の別の恋人との子どもでもないだろう。




と、なると




―――……目の前に居るこの子は……





静かに目を閉じた。






結妃に言われた言葉が思い出された。






「玖賀家の女の子は不幸。

それを作り出してるのは、アンタだよっ!

わたしはずっと辛かった!苦しかった!

でも、亡くなったお姉ちゃんの役割担わないとってじっと耐えてきたっ!

私はっ、自分の家族ができたのっ!やっと!本当のっ……!

これ以上、私を苦しめないで!子どもにも会わせない!」





" 代わり作れば?姉の犠牲になる娘を "





と結妃に言われたことを思い出す。








胸に突き刺さった結妃の言葉を忘れることが出来なかった。

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