第45話

探そう、探そうって思いつつも…

「史哉くんなんか嫌い」って言われることが怖くて、連絡してくれるのを待っていた。



奥さんは連絡をくれると…。



子ども達も小さいし、会いたい…よな?って思い込んでいたのが良くなかったのか…連絡は一度も来なかった。




その、奥さんが目の前に居る。



小さな子どもを連れて。




3歳?くらいだろうか?小柄な女の子だった。

「ママ」って呼びながら元妻に抱き着く子どもをじっと見ていた。





抱き着いていた子どもが

再び俺を見たのは二時間後ぐらいだった。




" 不安 " 、" 恐怖 " 、" 困惑 "が混ざりあった子どもの目。



それから、不信感の目。




既視感のある、その目に結妃に言われたことを思い出して胸が苦しくなった。





「いい加減にしてよっ!

わたしは玖賀史哉の娘で幸せだったこと一度もないよ!

玖賀ってだけで、陰口叩かれてハブられて。苦しかった!

お姉ちゃんの分も生きてねって言われて。辛かった!

救いはうるさくても可愛い弟達だけ!

女の子の子育てはできないんだよ、下に妹が産まれたら可哀想。

朝妃も妃響も竜妃も雅妃も燈妃も弟で良かった。

お父さんは苦しむ子どもを作り出してる。」





結妃の俺に言えなかった気持ちは俺の胸に深く突き刺さった。






" 苦しむ子どもを作り出してる "






結妃―――……娘に言われたことを思い出した。

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