第34話
「ちびばか妃愛。帰んぞ。」
「えっ、もう!?も〜……お兄ちゃん……勝手なんだから。」
「なんだ?まだ居てえのか?」
わたしが姉の代わりって思ってること妃響兄は気付いてる。
ずっと昔から。
ママが亡くなる前から気付いてくれてて直接は言ってこないけど、お姉ちゃんのことを考えすぎないように気を逸らしてくれてたこと、気づいてる。
優しいんだよね、妃響兄は。
言葉は乱暴だし、態度も横暴だし、わたしの話聞かないで決めることも多いけど
わたしの性格熟知した上での行動だってことも知ってる。
他のお兄ちゃん達には同じようなことしてないから。
わたしだけ……なんだよね。強引なの。
最初はそれが嫌で嫌で拒絶して、口も聞かなくて、無視したこともあったけど諦めの悪い兄だなって思う。
「お姉ちゃんともう少しオハナシさせてよ。女同士の会話は長いんだから!
そんなだから彼女できないんだよ!」
「うっせ、ちび。ちびの癖に生意気。
俺はそこら辺に居るから好きに話せ。帰る時は連絡な。わかったか?連絡!」
「はーい。」
***
「結妃ちゃん、賢人くん、帆波ちゃん、汐莉ちゃん……はじめまして。」
お姉ちゃんは妹のわたしをどう思うのだろうか?
やっぱり、自分の代わりと思うのかな?
お姉ちゃんの代わりって気付いてから、バリアを張ってきた。
玖賀家に深く侵入しないように、出ていく時辛くならないように―――……
なんで教える気になったんだろう?
聞く気もなかったし、
教えてくれる気配もなかったパパとお兄ちゃんたち。
なんの心境の変化なんだろう?
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