第10話
ママが居なくなって10年。
引き取ってもらった家族に
前の家族のことを言えない……忘れないとって思って、再婚する雰囲気が出たあたりから忘れるようにしてきた。
触れられないようにしてきた。
思い出は全て封印して、
玖賀家の娘にならないとって思ってきたんだ―――……。
ツラい。
ママと優くん、美咲ちゃんと
毎週のように海に行ってた。
優くんと美咲ちゃんの家から海が見えてベランダでBBQをしたり、
露天風呂に入りながらオハナシしたり。
すっごくすっごく楽しくて、幸せだった。
今も優くんのお家は優くんの息子が引き継いで仕事場となっているらしい。
事故から13年。
一度も思い出の詰まった優くんの自宅には行っていない。
「行きたい」と言えなくて、胸にしまったまま13年が過ぎた。
画像タイトルを入力…
「朝日……もうそんな時間か……。
帰らないとなあ……。」
気付いたら陽が昇っていた。
ここから家まで歩いて2時間くらい。
逃げるように家を出て走ったから戻りづらいし、もうパパやお兄ちゃん達に隠せないくらい精神的にキてる。
ごめんなさい、パパ、お兄ちゃん。
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