第6話
あの時のパパの顔。
困惑よりも、怒りのカオをしてた。
" だれだ、その子は " 言葉に表すとこんな感じになるだろう。
他人の子どもを宿したママに怒りの感情を抱いたんだろうなって今も思ってる。
そんなことないのにね。
ママと繋いでいた手が固くキツく結ばれてママの不安と決意を実感したんだ。
それから、ママの想い人……はパパなんだなってことも実感した。
たった、数日。
数日の出来事だったのに、わたしとママの人生は一瞬で変わってしまった。
あの日、フェリーで旅行していなかったら、優くんも美咲ちゃんも死なずに済んだ。
あとから、あの日は……
蒼哉兄と朝妃兄、妃響兄の3人と会う予定で、わたしと会う予定になっていたとか聞かされたんだ。
ママは言っていたらしい。
パパよりも先に息子三人に娘を出産したことを。
メールでわたしの写メや動画を送ってやり取りしていたことをあとから聞いた。
お兄ちゃん達がどう思っていたか知らない。
知ることが怖くて、
再婚して10年近く経った今もわたしは兄たちを信頼することができてない。
「優くんッッ……会いたいッッ……。」
わたしのパパだと思ってた。
優くんはいつもわたしを優先してくれて、大切にしてもらっていた。
「優くんには弟が居る。弟が妃愛のパパなんだよ。」って教えてくれてた。
わたしは「優くんがパパがいいっ!」っていつも言って困らせていたんだ。
もう、それも言えない。
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