第87話

「梨絵ちゃん、俺を見て?

今、目の前に居るのは、史哉だよ。

梨絵ちゃんのことが、大好きな史哉だよ。

梨絵ちゃんは、綺麗で、可愛くて…ママになる度に、好きが増していくよ。

このまま、腕の中に閉じ込めておきたいくらいにね。愛してる。」



伝える事が、苦手な史哉くんが、

私に……いつも伝えてくれた。


子供達の前でも、堂々と

イチャイチャし始めて、息子に

笑われるまでが、いつもの光景だった。



幸せだった。



私の人生は、


史哉くんに愛されて

幸せな人生を、送ることができた。




「梨絵ちゃん、俺ね。

間違った行動をとった……って、史哉と梨絵ちゃんに申し訳なく感じた時期はあった。

その気持ちを、吹き飛ばしてくれたのは…朝妃だったよ。」



優哉くんと、2人で……

妃愛のお世話をしていた時だった。



" 俺を、過ちの子供、

申し訳ない子供って思わないでほしい。

俺は、俺。史哉と梨絵子の息子。"


" 優哉と梨絵子の息子 "



俺の親に、なってくれませんか……?



って、朝妃に頭を下げられた。



私も、優哉くんも………


申し訳なさを、心の奥底にしまって

朝妃に、接してきていた。



「当然だ、朝妃。

朝妃は、俺の息子だ。生まれてきてくれて、ありがとう。やっと、正式に…父として、向き合えるよ。ありがとう。」


「朝妃……朝妃……ありがとう……。」




許してもらおうとは、思ってない。

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