第88話

私は、朝妃を遺して先に、逝く……。



伝えたい事は沢山あった。


伝えないといけないことも………。



父親問題で、苦しめてごめんなさい。


朝妃の父親は、史哉くんと優哉くん。

受け入れる事は、難しいと思うけど……

愛されて。望まれて。生まれてきたのだと……伝えたかった。



" 朝妃、生まれてきてくれて、ありがとう。 "



ありがとう、ありがとう……


死ぬ間際まで、伝え続けた。

許さなくていい。私を、優哉くんを。



" 愛してる "



私も、史哉くんも、優哉くんも…


朝妃を愛している。




「十分、伝わったよ…お母さん。

玖賀 史哉・梨絵子夫妻の息子で、

永城優哉・玖賀梨絵子の息子で。

3人の親が居て、幸せもんだよ。」



涙を流す、私に朝妃は、言った。




" 母さんと親父、父さんから……

貰った愛情を、伝えていくよ。


俺が、妹。妃愛に伝えていく。 "



朝妃は、自分の運命を受け入れて

受け取ってきた 愛を、

妃愛に伝えていくと。




私の両親、大輔兄、貴也兄、茉佑ちゃん


優哉くん、蒼哉の前で、誓った。




その言葉を、聞いて………



安心できたんだ。

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