第71話

「梨絵ちゃん。責任持って、育てるよ。

朝妃が望む…生き方を…今は、見守ろう。」


「……ッッ……ごめんなさいッッ……」



あの日。私が、死のうとしたから……


あの日。私が、優哉くんを頼ってしまったから………運命は、意地悪した。



全部、私が……悪いんだ。



共同育児。優哉くんは、父親として。


私は、母親として。




史哉くん、ごめんなさいッッ……


ごめんなさいッッ………。



私が、悪いんだ………。恨んで。



そう言った、私の事を………


いつもと同じように、

そっと手を回して、抱きしめて。



「誰が、なにを言おうとも。

朝妃は、俺と梨絵ちゃんの子供だ。

例え、優哉の子供だとしても、朝妃が優哉を選んだとしても、恨みはない。」




恨みはない………、


どうして、どうして………

そう言えるのか……最期まで聞けなかったよ………史哉くん。




怖くて、聞けなかったよ。




私を、恨んでいい。


優哉くんを、恨んでいい。



私たちが、無責任な行為をした……。





ごめんなさい……。ごめんなさい……。

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