第70話

「てめえは、親じゃねえ!!!

母さんだって、そう思っているんだろ!?跡継ぎ……跡継ぎさえ、生まれれば…親の役目は、終わりなんだろ!?

玖賀に、生まれて来なければ良かった!!!」



私と、史哉くんの前で……


最後に見た、涙。


苦しい思いを、必死に押し殺して……

朝妃は、私たちの前で、涙を流した。



" もう、帰らねえよ "



引き止める、私と史哉くんの手を

振り払い………朝妃は、飛び出していった。


妃響も、同じように………。




史哉くんは、不器用で。



精一杯、朝妃と妃響を愛していたけど

思いとは裏腹に、現実は上手くいかなかった。



私も、ほとんどはじめての子育て。



妃響との年子。

探り探りの子育ては、失敗の連続で、

いつしか、朝妃と妃響との関係は、

拗れてしまった……。



望んで、望んで……生まれてきた朝妃。



上手く伝える事が、できなくて……

朝妃を苦しめてしまったのは、私。



父親問題で、苦しめてしまったのは、私。



" 申し訳ない "



で、済まないことを……

史哉くんと朝妃にしてしまった…。




ごめんなさい………、ごめんなさい……。




―――――――――

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