第59話

泣いて、泣いて、泣きじゃくり……


私から、優哉くんに……

覆いかぶさった。

まだ、完全に史哉くんだと思っていた。



優哉くんと史哉くんが、重なった。



「梨絵ちゃん、優哉だよ。俺は。

後悔する、いいの?それでも、いいの?」



「…………いい………。」




捨ててくれたら、いいと思った。



優哉くんと、関係をもった私を……

捨ててくれたら……って。


恨んで。嫌って。なんて………

優哉くんとの関係も壊してしまうのに、私は……



このあと、死のうと決めていたから。



どれだけ、自分勝手な女なんだろう…


愚かで。大切な2人のことを傷つけることしかできない……女。

嫌って、突き放してもらおう……って思った。



その先に、あるものは―――……



シャワーを浴びて、泣きじゃくった。



とんでもないことをしてしまったと。


後戻り出来ない、ことを……

私は、したのだと……




用意していた、カッターで、手首を切った。

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