第55話

「ずっと……途切れてなかった……。

その度に、俺は……ああ、俺はダメなんだ……

梨絵ちゃんは、俺の真逆。優哉タイプを好きなんだなあ…って。『違う……それは、違う……。』」



優哉くんも、大切な存在だけど。


史哉くんのほうが、好きだった。

好きで、好きで、素直になれない、私に……史哉をヤキモチ妬かせよう……


って、私に紹介してくれた彼氏は、

全員……大輔兄と優哉くんの

お友達で。みんな、事情を説明しての……関係だったと、



妃愛を、出産した後に聞いた。



「俺は、失いたくない。

別れたくない。女々しいって思ってもいい。俺は、梨絵ちゃんを愛してる。玖賀の跡継ぎどうこう言うんだったら、俺は…玖賀を捨てる。」


「…………え………?」


「どれだけ、嬉しかったか知らないでしょ?

ずっと好きな梨絵ちゃんと付き合えたこと。

愛し合えたこと。菜緒授かったこと。

言えなかったけど、梨絵ちゃんと俺の子……すっげえ、嬉しかった。夢が叶ったから……嬉しかったんだよ。」



高校生で、親になった。


色々言われたけど、梨絵ちゃんとの子供がほしい。だから、関係ももった。



はじめから、父親になる覚悟が無かったら、付き合うこと自体、しない。




それが、俺なりの……


愛するって覚悟だと―――………。




別れたのは、



俺が弱かったから。



梨絵ちゃんは、一般人。

俺以外の人と、幸せになれる選択肢がある。




っていう、史哉くん………。

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