第38話

お兄ちゃんは、私に言った。



" 大学だけは、卒業しろよ梨絵子。"



こういう時だけ、梨絵子っていう。


気にかけてくれるなら……

助けてよっ!甘えさせてよっ!!

どうして、私を見てくれないのっっ……



大輔兄への不満が募ったのも、

菜緒を亡くしてからの、3年間。



辛くて、辛くて、辛くて。


ほとんど、引きこもりの生活をしていた。

大学には、行く気力がなくて、中退。



父、母、兄との確執は、深まった。



――――――

―――――――――



呑めないお酒を飲み、

怖くてたまらない男の人とベタベタしたり……私は、荒れていた。



大学中退したあと、

父親から…生活費は自分で稼げっ!

私の大学4年間の学費を手渡され、突き放された。



父、母、兄への……抵抗で、

キャバ嬢、ホステス……。


風俗は、1回だけ働いて、やめた。



とにかく、史哉くんのことを忘れようと……


昼夜関係なく、ほぼ不眠不休で……

キャバ嬢、コンビニバイト……

できるバイトは、全てやった。




心の隙間だけが、埋まらなかった。

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