第33話
「玖賀邸、行くか?莉音。
じゃじゃ馬娘がね、起きないんだって。」
「はっっ!ひめかちゃん!!
行くっ!行く!優音兄も一緒にいこ!」
「ん。行こっか?莉音。」
葬儀の間、仕事を休んで…
村瀬家で過ごしてきた、優音兄。
もうすぐ、家に帰ってしまうんだよね。
「………わたしも〜……ッッ!!
妃愛のところ行くッッ!!!いくのっ!!!」
お父さんが、亡くなり―――……
強気で、勝気で、男勝りの詩音が
泣いてない時間はないんじゃないのかな?
って心配になるほど、ずっと泣き続けている。
正直、予想外だった―――……。
「詩音、行こっか。」
「莉音のくせに〜!!!お兄ちゃんぶるな〜!!
泣き虫じゃないもんっ、詩音…大丈夫だもん!」
「はいはい。」
泣いた目を、化粧で誤魔化して
学校に行こうとする、詩音。
「行ってらっしゃい、莉音、詩音。
優音、妃響くんとお話しがあるんだよね?それが終わったら、片付け手伝って。」
「了解、行ってくるね。」
お母さんは、父さんとの約束。
子供を育て上げること―――……
涙を流すこともあるけど、
普段と変わらない態度で接してくれている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます