第21話
「お父さんがね、莉音。
莉音がショックで倒れるかもしれないから
優音と妃響は、付き添えって。
お父さんに会いにいきたい?」
「………んーん、いかない……。」
行きたい気持ちは、ある。
今、無理をしてお父さんの元に行くより
家に帰って、お父さんのそばに居る。
いくらでも、時間はあるから。
大安が―――……4日後だと……
知っているから……。
少なくても、3日は家に居る。
「そっか、わかった。」
「………ゆうとにいは?会いに行った?」
「ううん、行ってない。
莉音よりも先に会うのはなしでしょ?
お父さんの元で育ったのは莉音だから。
俺は、莉音の気持ちを大切にしたい。」
「…………あり、がとう………。」
もっと、動揺すると思っていた。
気を失って、倒れて。
頭を打ったんだから……焦ると思ってた。
意外と、今。冷静で居れている。
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