第13話

「うれしい…。

嫌なんかじゃない。お兄ちゃん、嬉しい。

ずっと、お兄ちゃん欲しかったから。」


「ふっ。素直じゃん?莉音。

優音から接してきてくれるのを待つんじゃなくて、莉音からもグイグイ行ってみ?

優音は莉音と同じで、人見知りなんだ。」



優音と玲音、お兄ちゃん。


はじめ、聞いた時はビックリした。

動揺して、何も言えなかったし、動く事もできなかった。



ひいにいが、煌妃さんと悠妃と話している時。

隣に居てくれて、頭を撫でてくれたり。

少しだけ震えていた僕の手を握ってくれた。



誠音から叩かれた。蹴られた。突き飛ばされてきた。

だから、お兄ちゃんは怖い人だと思ってきた。


あっくんも、優しい時はあったけど

誠音と変わらないことを、悠妃にしてきた。

年上のお兄ちゃんが今も怖くてたまらない。



「ゆう、ゆうと兄ちゃんは……

怖くない。ひいにいとなんか似てる。」



上手くはいえないけど。


ひいにいと優音兄は、雰囲気が似てる。



「あははっ!そう思うの?

優音は、樹月を溺愛してるんだよねえ。

だから、あんなとち狂ったヤンチャボーイになったんだろうけど。」



とち狂ったヤンチャボーイ……



パワーワードすぎて

その前に言われた事が吹っ飛んだ。

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