第12話

「優音のこと。

雅人さんの病気発覚後の兄貴の存在。

莉音が苦しんできたこと、雅人さんも、おばさんも、優音も、俺もわかってる。」


「……………ッッ……グスッ………。」



僕の、お兄ちゃんへの……気持ち……


みんな知っていたの?それで………

僕が、受け入れることを待ってたの……?



「莉音。悠妃が朝妃をお兄ちゃん…って思う事が怖いように。莉音も、怖くていいんだよ。

お兄ちゃんが居るって言われて、動揺しないわけないでしょ?」


「……………詩音のほうが……かわいい。

愛嬌があるから、可愛がられる。人に懐きやすい。僕は、僕は……ちがうもん。

だから、会いに来てくれないんだって。」



悠妃の家で、お兄ちゃんに会った日。


家に何度か来ているけど、僕とは会ってない。

時間帯をずらして、来てること知ってる。


詩音が、学校を休む時に限って

お兄ちゃんは、家に来ていた。


仲間はずれにされていると思った。



「それは、違うよ莉音。

莉音は…馴染まなきゃって焦ってるなって。

本心では、優音と玲音のことどう思ってる?」



優音と、玲音お兄ちゃん……。


どう、思ってる……。僕の本音はひとつ。

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