第4話

side 妃響



雅人さんが、危篤だと連絡が入った。



優音に、詩音の迎えを頼み

父さんは、雅人さんの奥さんと一緒に

病院に向かった。



莉音が、雅人さんを避けていることを知っていた。



会えば、現実を突きつけられることになる。


現実を受け止めることが怖いのだと

雅人さんも、奥さんも、父さんも俺もわかっている。


どんなに、怖くても。辛くても。


今、莉音が逃げてしまったら

もう二度と、話すことができない。

そうなれば、一生、苦しんで生きていくことになる。



例え、エゴだと言われても。


俺が、朝妃を亡くした時の痛み、苦しみを莉音と詩音には経験してほしくない。



これからが大事な、時期に入る。


一日足りとも、後悔する日々は

送って欲しくない……

そんな思いで、莉音と接してきた。



でも、最近思うことがある。



俺の思いを、押し付けることが

莉音にとって、いいことでは無いと。

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