第3話

「莉音、ここはみんなが居る。嫌だろ?

ちょっと脅して、空き教室の鍵借りたから移動しよう?一旦、俺とお話しよっか。」



莉音が、拒否することは予想済み。


悠妃が卒業するまでは、仕事を抑えると

ひいにいは言っていた。

僕や、莉音の為だと、知っている。



「………う、ん………わかった………。」


ひいにいに支えられながら、屋上を出ていく莉音。

莉音は、大丈夫なのだろうか―――……。


保育園、小学校、中学校、高校と……

ずっと一緒に過ごしてきた。


僕たちは、卒業する。


このタイミングで、

お父さんを亡くしたら………

莉音は、どうなってしまうんだろう―――………。


煌妃兄と同じようになってしまうのかな………。




何も出来ず、何も言えず。



莉音の背中を見つめることしか………。

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