第2話

「莉音、とりあえず話しよう。」


しゃがみこみ泣き始めた莉音を抱き寄せ

ひいにいが、優しく話し掛ける。



父さんから、聞いていた。


雅人、卒業式まで持たないかもしれない。

バレンタイン…それまでは……厳しいかもな……。


父さんと妃響兄が、

サポートに回ることを伝えられていた。



「行かないっ。いかない……。」


ひいにいは莉音を心配していた。


ガン宣告、余命宣告を受けた雅人さんのことを

莉音は、受け入れられず、逃げてきた。


僕の家は、父さんと妃響兄が居る。

お兄さんの優音さんの実家に行ったり

龍太の家に泊まったり。


現実から、目を逸らしてきた莉音。



怒るとか、叱るとか。


今は、そういう状況ではない。

莉音の気持ちを受け止めて、支える……が、

いいのだろうけど……僕は、分からない。



莉音に何ができるのか、分からない。

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